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ブラックバイトの定義と15の特徴:具体的な対策と相談先

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カテゴリー: ブラックバイト

学生やフリーターの弱い立場につけこみ社員並みの責任を押し付けノルマまで課すブラックバイトの問題が急増しています。

ブラックバイトは、ブラック企業と並んで一躍有名になった言葉ですが、ブラック企業とブラックバイトの違いは以下のとおりです。

  • ブラック企業:社員を使い捨てにする
  • ブラックバイト:アルバイトを使い捨てにする

一昔前のアルバイトといえば、生活費の足し・遊ぶための一稼ぎというイメージでした。

しかし、最近は親世代の所得が減り仕送りができない、バイトをしないと学校に通えない・生活できないといった社会環境があります。これに目をつけ、ブラックバイトでは知識の乏しい学生を酷使し使い捨てにしているのです。

この記事では以下の状況にある人に役立つ情報を解説します。

  • ブラックバイトってどうやったら見分けることができる? ブラックバイトの特徴は?
  • バイト先がブラックバイトだった場合、どのような対策をすべき? どこに相談したらいい?

ブラックバイトの定義

まず、ブラックバイトの法的な定義はありません

しかし、ブラックバイトの問題を大きく取り上げた中京大学の大内裕和教授は以下のように定義しています。

学生であることを尊重しないアルバイトのこと。フリーターの増加や非正規雇用労働の基幹化が進む中で登場した。低賃金であるにもかかわらず、正規雇用労働者並みの義務やノルマを課されたり、学生生活に支障をきたすほどの重労働を強いられることが多い。

また、ブラックバイト問題を取り扱う「ブラックバイトユニオン」では、より広い意味でブラックバイトを定義しています。

学生の無知や立場の弱さにつけ込むような形での違法行為が当たり前となっているアルバイトのこと。違法行為として、例えば、残業代不払い、休憩時間の不付与、不合理な罰金の請求、パワハラ・セクハラの放置などがあげられる。

ブラックバイトは社会に出る前の知識の乏しい学生を相手に使い捨てにします。より弱者から搾取するという意味で悪質とさえ言えます。

国はアルバイト経験者1000人にブラックバイトの実態調査を行っています。以下の記事では、ブラックバイトの実態、法違反の内容をまとめていますので参考にしてください。

参考:経験者1000人に国が調査したブラックバイトの実態と事例

ブラックバイトの15の特徴:具体的な対策と相談先

ブラックバイトが社会的な問題となり、国はブラックバイトを見分けるチェックリストを公表し、業界団体への周知や相談窓口の設置など対策に乗り出しています。

参考:国によるブラックバイトを見分ける19のチェック項目

ブラックバイトを見分けるチェックリストを踏まえ整理すると、ブラックバイトの特徴は以下の15個に集約できます。

  1. 約束以上のシフトを強制する
  2. 急なシフト変更をする
  3. 給料が最低賃金より安い
  4. 給与明細をもらえない
  5. 研修期間・試用期間が続く
  6. 残業代がない(サービス残業)
  7. 休憩時間がない
  8. 休暇がない
  9. 休日がない
  10. 社員と同等の義務やノルマを課される
  11. 罰金制度がある
  12. 買取・弁償させられる
  13. 怪我をしても労災にならない
  14. パワハラ・セクハラなどのハラスメントがある
  15. 辞めさせてくれない・損害賠償請求と脅される

これらのブラックバイトの15の特徴についてそれぞれ解説します。

1. 約束以上のシフトを強制する

ブラックバイトの大きな特徴が、約束以上のシフトの強制です。国の実態調査でもシフトの強制が大きな問題であることが明らかになっています。

約束以上のシフトの強制は、法的には雇用契約の変更であり、それ以上に多くのブラックバイトはもっと大きな法違反を犯しています。

以下の記事では約束以上のシフトを強制するブラックバイトが違法である理由を解説しています。罰則付きの大きな違反なので、強い立場ですぐに近くの労働基準監督署に相談しましょう。

参考:約束以上のシフトを強制するブラックバイトが違法となる理由

2. 急なシフト変更をする

シフト制や勤務シフトという言葉は一般的ですが、実はシフト制という言葉は法律用語ではありません。

正しくは労働基準法による変形労働時間制度というものであり、そして変形労働時間制度の重要な点が急なシフト変更を認めていないということです。

以下の記事では、急なシフト変更をするブラックバイトが労働基準法違反であることを解説しています。急なシフト変更は法律の悪用なので、近くの労働基準監督署に相談しましょう。

参考:急なシフト変更をするブラックバイトは労働基準法違反

3. 給料が最低賃金より安い

時給をよく確認してください。バイト先とあなたがどんな条件で契約していても最低賃金より安い時給は問答無用で違法です

最低賃金は毎年上昇しています。

バイトを始めたときは最低賃金より上だったとしても、もし時給が上がっていなければ最低賃金を下回っている可能性があります。

平成30年10月1日以降の東京都の最低賃金は985円です。1円でも下回っていれば違法なので、すぐに近くの労働基準監督署に相談しましょう。

4. 給与明細をもらえない

給与明細を渡してしまうと、証拠を残してしまうため、あえて給与明細を渡さないバイト先があります。

ただ、給与明細を渡すことは所得税法の義務であり、渡さなければ違法です。最低賃金より少ない時給だったり、サービス残業などの証拠になるため、確実に給与明細を受け取り保管しておくことが大事です。

この場合の相談先は税務署になります。バイト先が最も怖いのは税務署です。「給与明細がもらえないなら税務署に相談します」といえば効果抜群です。

5. 研修期間・試用期間が続く

まず働き始めるときに研修期間・試用期間があるのはおかしなことではありません。求人は時給1000円と書いていたのに、実際は研修期間・試用期間があり、その期間は時給900円といったことはよくあります。

ただ、研修期間・試用期間がずっと続くのはダメです。

正社員の場合、試用期間3か月というのが多いのですが、バイトの場合は1週間程度です。それ以上、研修期間・試用期間が続いているのであれば、悪質なバイト先の可能性があります。

ちなみに、研修期間・試用期間であっても最低賃金より安い時給は違法です。

6. 残業代がない(サービス残業)

バイトには残業代がないなどと未だに平気で嘘をつく会社が多いようです。

社員でもバイトでも残業があれば残業代を払う、これは法律による義務です。しかも割増賃金となるので、通常の時給より会社は多く支払わなければなりません。

  • 時間外労働は25%以上の割増
  • 法定休日労働は35%以上の割増
  • 深夜労働は25%以上の割増

つまり、例えば時給1,000円であれば以下の金額になります。

  • 時間外労働:1時間の残業で1,250円
  • 法定休日労働:1時間の休日出勤で1,350円
  • 深夜労働:1時間の深夜労働で1,250円、深夜で残業の場合は25+25=50%の割増になるので1,500円

残業代の未払いは悪質な法違反です。すぐに近くの労働基準監督署に相談しましょう。会社は厳しい指導を受けることになります。

7. 休憩時間がない

社員・バイトに関係なく、以下の条件を満たせば、会社は休憩時間を与えなければなりません。

  • 労働時間が6時間以内:休憩時間なし
  • 労働時間が6時間を超えて8時間以内:休憩時間45分
  • 労働時間が8時間を超えるとき:休憩時間60分

以前は、バイトの労働時間は社員よりも短く、社会保険の問題もあって6時間以内にすることが多かったため、休憩時間の問題がありませんでした。

しかしブラックバイトの場合、社員と同じように酷使し長時間労働を課すという特徴があります。法律上、6時間を超えれば最低45分、8時間を超えれば最低60分の休憩時間が必要です。法律なので会社のルールは関係ありません。

休憩時間がないのは悪質な法違反です。すぐに近くの労働基準監督署に相談しましょう。会社は厳しい指導を受けることになります。

8. 休暇がない

意外と知られていないのですが、バイトにも年次有給休暇は法的に認められています。時給制のパート・アルバイトだから年次有給休暇がないというのは間違いです。

「うちの会社には年次有給休暇はない」などと誤ったことを言う経営者は相変わらずいますが、アルバイトに年次有給休暇を取得させないのは明確に違法です。すぐに近くの労働基準監督署に相談しましょう。

参考:ブラック企業の年次有給休暇の問題:正しい知識と戦い方の解説

9. 休日がない

法律では最低週に1日の休日を設定することが義務になっています。

アルバイトで週6日など長い日数を働くことは過去にあまりなかったので問題にならなかったのですが、ブラックバイトの場合は何でもありなのが怖いところです。

週1日の休日がなければ明確に違法です。すぐに近くの労働基準監督署に相談しましょう。

参考:年間休日120日以下の会社がブラック企業と断言できる理由

10. 社員と同等の義務やノルマを課される

ブラックバイトでは「社会人の責任、遊びじゃないんだ」といった便利な脅し文句を利用して、社員と同等の義務やノルマを課します。

しかし、バイトの給料は正社員に比べて格段に低い、それにも関わらず、正社員と同じような義務やノルマをバイトが課されるのは明確におかしいのです。

確かに働いてお金をもらっている以上「社会人としての責任」は当然あります。

ブラックバイトではこの「社会人の責任」を巧妙に「正社員と同じ責任」にすり替えます。騙されないようにしましょう。

ただし、この問題は労働基準法違反ではないため、労働基準監督署は動いてくれません。その場合、個人でも加入でき、ブラックバイト問題に特化した「ブラックバイトユニオン」という組織があるので、こちらに相談してみましょう。

11. 罰金制度がある

遅刻・欠勤は罰金、ノルマを達成できない場合も罰金、悪質な会社は様々な罰金を課しますが、罰金というのは法律上簡単には認められません。

まず罰金制度は、会社の就業規則に明確に定められていなければ違法です。そして仮に就業規則に定められていても、簡単に罰金を課すことはできません。

遅刻や欠勤が多く、何度注意しても改善されない、そんなときにようやく使えるのが罰金という制裁です。

罰金制度が存在するだけでブラックバイトと言えます。

罰金の内容によって違法性が変わるため、労働基準監督署またはブラックバイトユニオンに相談してください。

12. 買取・弁償させられる

そもそもノルマを課されること自体おかしいのですが、悪質な会社になると、ノルマを達成できない場合、売れ残った商品の買取をさせられるケースもあります。

法律上は制裁という罰則と同じ形になりますが、上のケースと同じように会社は簡単に罰則をかけることはできませんし、ましてや給料の安いバイトに買取させるなんて言語道断です。

また商品を壊したなどの場合でも弁償させられることは通常ありえません。

バイトにそのような業務を任せた会社や責任者の問題が問われるのであり、心配する必要はありませんし、弁償の強要がひどい場合は脅迫に該当します。

以前「親に言うぞ」と脅迫し、本当に親に言った会社がありましたが、その親が実は弁護士で、逆に会社が謝らされたというアホなケースがtwitter上で話題になっていました。

内容によって違法性が変わるため、労働基準監督署またはブラックバイトユニオンに相談してください。

13. 怪我をしても労災にならない

仕事中の怪我は労災になります。労災というのは労働者の自己負担0で、病院で治療をしてもらえる制度ですが、バイトももちろん対象になります。

「保険料を払っていない」「正社員だけが対象」といった誤解が多いのですが、法律により事業主のみが保険料を負担、バイトを含めすべての労働者が対象というのが労災補償の特徴です。

バイトが自分自身の健康保険を使って病院にいけば3割の自己負担になりますが、労災なら0です。

また、仕事中の怪我にも関わらず、会社が労災の手続きをしない場合、「労災かくし」という法違反になります。

労働基準監督署は労災かくしに厳しい対応をしています。すぐに「バイト先が労災を隠している」と相談してください。

14. パワハラ・セクハラなどのハラスメントがある

パワハラ・セクハラは、社員でもバイトでも違法です。後で紹介するブラックバイトの悲惨な事例にあるような日常的に殴る・蹴るなどは明確に暴行事件であり、警察に相談すべきことですが、指導という名の下に暴言を吐く人もいます。

バイト自身に責任があるかのように洗脳して、ハラスメントを正当化しますが、これが放置されている会社であれば、すぐに退職しないと、精神的にやられてしまいます。

労働基準監督署やブラックバイトユニオンに相談してください。ただし、注意を受けたからといってハラスメントを行う人が善人に変わるのはありえません。

何よりそんな状況を放置している会社ですから、さっさと退職することをオススメします。ハラスメントのない普通のバイト先はいくらでもあります。

参考:ブラック企業の撲滅のために私たちができる2つの方法

15. 辞めさせてくれない・損害賠償請求と脅される

これはよくある誤解なのですが、労働者はいつでも辞めることができます

会社が労働者を解雇する際には1か月前の予告が必要(即時解雇する場合は1か月分の給料を支払う義務)ですが、労働者はいつでも退職できます。

民法上は2週間前の通知というのが必要ですが、法律違反が横行しているようなブラック企業・ブラックバイトの場合は、すぐに退職しても構いません。

また、会社によっては就業規則を盾にして1か月前、悪質な会社だと6か月前に言わなければ退職は許可しないと言ってくることもありますが、退職に許可は不要です。大事なことなので何度も言いますが、労働者はいつでも辞めることができます

ブラック企業の常套手段が「急な退職により損害が生じるので損害賠償請求する」という脅しですが、心配しないで大丈夫です。むしろ「ぜひ、やってください」と言っても大丈夫です。

損害賠償請求をするには実際の損害額を計算する義務は会社側にありますし、会社は違法状態を裁判所に知られることになるので、普通はしませんし、まともな弁護士はそんな依頼も引き受けません。

「いや、うちの会社は頭がおかしいので本当に損害賠償請求をしそうで心配」ということもあるかもしれません。

実際、2011年5月に「「退職で損害」と訴えられた会社員 逆に会社を訴えて1100万円」という事件が話題になりましたが、ポイントは以下のとおりです。本当にアホな事件ですが、裁判になって困るのはブラック企業です。

  • 京都市内のシステム開発会社が、退職を申し出た社員に「損害賠償請求するぞ」と脅した
  • その社員は実際に退職したが、会社は本当に約2000万円の賠償請求訴訟を起こした
  • 反対に、社員は残業代が支給されていなかったと約1600万円の支払いを求める訴訟を起こした
  • 裁判の結果、社員の言い分が認められ、会社に対して約1100万円の支払いを求める判決となった

また「お前が退職することでバイト仲間に迷惑をかけることになる」という脅し文句も常套手段ですが、人員管理を行うのも会社や管理職の責任です。

退職させないための様々な常套手段を持っているのがブラック企業なので、そんな場合は近くの労働基準監督署や労働組合に相談しましょう。

参考:ブラック企業からの簡単・確実な退職方法:脅迫は心配無用!

ブラックバイト業種の一覧

国はアルバイト経験者1000人にブラックバイトの実態調査を行っています。以下の記事では、実態調査の結果を独自に分類集計し、ブラック業種の一覧を問題ありの割合に応じてランキング形式でまとめましたので参考にしてください。

参考:経験者1000人に国が調査したブラックバイト業種の一覧

ブラックバイトの悲惨な事例

ブラックバイトの最も悲惨・衝撃的な事例として有名なのが「しゃぶしゃぶ温野菜ブラックバイト事件」です。

大学2年生の男性が、店長や同僚の従業員から包丁で刺される・首を絞められるといった暴力を受けていたものですが、暴力以外にも様々な法律違反が行われていたもので、以下の記事で解説しています。

参考:ブラックバイトの最も悲惨な事例:しゃぶしゃぶ温野菜事件

まとめ

ブラック企業・ブラックバイトは必要悪ではありません、単なる悪です。真面目な会社にとっても迷惑な存在でしかありません。

我々にできることは限られています。

  • ブラックバイトのような悪質な会社の名前を絶対に忘れない
  • ブラックバイトを行うようなブラック企業には入社しない
  • そして消費者としてブラック企業を利用しない

アルバイトを酷使して成り立っているブラック企業の存在を許してはいけません。

企業の正しいクチコミ・評判をチェックする!

ブラック企業は人を使い捨てにします。精神的・肉体的にあなたを追い込んでいきます。うつになってしまったら正常な判断ができなくなります。だから怖いのです。

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といったアンテナを常に張っておくべきです。

あなたがパートやバイトの場合でも同じです。ブラックバイト問題のように、ブラック企業は正社員以上にパートやバイトを使い捨てにします。

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