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ブラック企業の年次有給休暇の問題:正しい知識と戦い方の解説

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忙しいので年次有給休暇は許可できない、年次有給休暇を取るなら給料を引く、うちの会社には年次有給休暇はない、パート・アルバイトに年次有給休暇はない、これらはすべて間違いであり違法です。

ブラック企業の常套手段が「うちには年次有給休暇の制度はない」というものですが、年次有給休暇は労働基準法で認められたすべての労働者の権利です。

意外と労働者側も年次有給休暇の知識がないことが多いのですが、以下はすべて違法であることを知っていますか?

  • 忙しいので年次有給休暇は許可できない
  • 人が少ないので長期の年次有給休暇は許可できない
  • 年次有給休暇を取るなら給料を引く
  • 年次有給休暇を取るなら人事評価を下げる
  • うちの会社に年次有給休暇はない
  • パート・アルバイトに年次有給休暇はない
  • 1週間前までに申請しなければ年次有給休暇は認めない

年次有給休暇に会社や上司の許可は不要

ブラック企業に限らず多くの会社が誤解していますが、有給休暇は会社が許可するものではありません。そんな権限は会社にありません

「○月○日に年次有給休暇を取ります」これで本来はOKです。上司や同僚が大変になるから配慮してお伺いをしているのに、勝手に会社側が認める・認めないといった勘違いをしているだけです

年次有給休暇は労働基準法で認められている労働者の権利であり、会社はその権利を邪魔することはできません。

  • 忙しいので年次有給休暇は許可できない
  • 人が少ないので長期の年次有給休暇は許可できない

忙しい、人が少ないのは会社の問題・責任であって法的に認められた年次有給休暇の権利を邪魔してはダメと裁判でも認められています。「忙しいのなら人員配置を考えるのが会社や上司の責任」「人が少ないなら増やすか、人員配置を考えるのが会社や上司の責任」と裁判所は明確に示しているのです。

年次有給休暇の消化による不利益な取り扱いは違法

年次有給休暇を消化する労働者に不利益な取り扱いをすることは違法です。

典型的な例は以下のようなものですが、それ以外でも不利益になるのはすべて違法です。

  • 年次有給休暇を取るなら給料を引く
  • 年次有給休暇を取るなら人事評価を下げる

労働基準法第136条では「使用者は、年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。」と書かれています。

年次有給休暇はパート・アルバイトにもある

まず大前提として、すべての会社に年次有給休暇はあります。法律で明確に書いていますから。

「うちの会社に年次有給休暇の制度はない」と言ったりする上司がまだまだいますが明確に違法です。

また、パートやアルバイトは時給制のため、年次有給休暇がないと思われていますが、パートにもアルバイトにも年次有給休暇はあります

雇用されている労働者であれば必ず年次有給休暇はあります。ただし日数は異なる場合があります。

まず基本的な年次有給休暇の日数は、雇われた日からの継続期間によって以下の日数になります。

  • 6か月:10日
  • 1年6か月:11日
  • 2年6か月:12日
  • 3年6か月:14日
  • 4年6か月:16日
  • 5年6か月:18日
  • 6年6か月:20日

ただし、週の所定労働時間が30時間未満の場合は、以下のように有給休暇の日数が変わります。

週の労働日数が4日の場合

週の労働日数が4日の場合は、雇われた日からの継続期間によって以下の日数になります。

  • 6か月:7日
  • 1年6か月:8日
  • 2年6か月:9日
  • 3年6か月:10日
  • 4年6か月:12日
  • 5年6か月:13日
  • 6年6か月:15日

週の労働日数が3日の場合

週の労働日数が3日の場合は、雇われた日からの継続期間によって以下の日数になります。

  • 6か月:5日
  • 1年6か月:6日
  • 2年6か月:6日
  • 3年6か月:8日
  • 4年6か月:9日
  • 5年6か月:10日
  • 6年6か月:11日

週の労働日数が2日の場合

週の労働日数が2日の場合は、雇われた日からの継続期間によって以下の日数になります。

  • 6か月:3日
  • 1年6か月:4日
  • 2年6か月:4日
  • 3年6か月:5日
  • 4年6か月:6日
  • 5年6か月:6日
  • 6年6か月:7日

週の労働日数が1日の場合

週の労働日数が1日の場合は、雇われた日からの継続期間によって以下の日数になります。

  • 6か月:1日
  • 1年6か月:2日
  • 2年6か月:2日
  • 3年6か月:2日
  • 4年6か月:3日
  • 5年6か月:3日
  • 6年6か月:3日

例えば、1日7時間・週4日勤務(週28時間勤務)、入社後半年(6か月)の人の場合は以下のようになります。これは会社のルールに関係なく、法律によって義務付けられた日数であり、会社は拒否できません。

  • 4日・6か月に該当:年次有給休暇の日数は年間7日間

正社員だけでなく、パート・アルバイトにも有給休暇はあることを覚えておきましょう。

有給休暇は当日に申請してもOK

法律には有給休暇の申請時期に関する定めはありません。

そのため当日申請でも有給は取ることができます。ただし、会社の就業規則は念のため確認しておく方が無難です。

ブラック企業の場合は就業規則が作られていない、作られていても周知されていない場合がほとんどです。しかし周知されていない就業規則は無効であることが裁判でも認められています。その場合、いつでも有給休暇を申請できます

そもそも有給休暇の取得を邪魔するようなルールは無効であり、「1週間前までに申請しなければ有給休暇を認めない」といったことを会社や上司が言ってきた場合は、それは違法です。

有給休暇の消化に理由はいらない

有給休暇を取得しようとすると理由をしつこく聞いたり、嫌味を言ったりする上司がいますが、これは有給休暇の取得の妨害になります。

有給休暇の取得を妨害しようとする行為も労働基準法違反になります

有給休暇の消化に理由はいりません。もし記入する用紙があれば「私用のため」と堂々と書いてOKです。

「こんな理由で有給休暇は認められない」と上司に言われたら、その場で労働基準監督署に電話するくらいの勢いで大丈夫です。

有給休暇の時季変更に関する多くの会社の誤解

有給休暇のよくある誤解の1つが時季変更です。

これも有給休暇の許可と同様に、ブラック企業だけでなく多くの会社が誤解しています。

労働基準法第39条第5項では以下のように書かれていますが、多くの会社が勝手に拡大解釈しています。

労働基準法第39条第5項
使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。 ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

「事業の正常な運営を妨げる場合」というのは客観的である必要があります。

忙しい、他に人がいないというのは会社の問題であり、恒常的な要員不足は経営者の問題であるという裁判例があります。

有給休暇を消化できないときの対策:すぐに労働基準監督署に相談

有給休暇は労働基準法で認められた労働者の権利であり、有給休暇に関する法律に違反している会社は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となります

もちろんすぐに懲役や罰金になるわけではないのですが、労働基準法に違反している会社には労働基準監督署による調査が入ります。

インターネットの掲示板で「労働基準監督署はなかなか動いてくれない、相談するだけムダ」という書き込みがありますが、私の実体験として、有給休暇の相談をしたときは、すぐに会社に電話をかけてくれ、上司を一喝してくれました

電話を受けた上司は「妨害しているつもりはありませんでした、理由を聞いただけです」などとしどろもどろに回答していたようですが「理由をしつこく聞けば妨害の意図があるとこちらは受け止めますよ」と怒られていました(笑)。

友人にこの話をしたら、すぐに友人も相談したようで同じような対応をしてくれたということでしたので、皆さんもぜひ!

参考:ブラック企業の10の特徴と見分け方

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といったアンテナを常に張っておくべきです。

あなたがパートやバイトの場合でも同じです。ブラックバイト問題のように、ブラック企業は正社員以上にパートやバイトを使い捨てにします。

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