山口県田布施町が全国的に炎上しています。
固定資産税の徴収ミスを上司に報告したが対応しなかったため、町議に内部告発した職員に対して、とてつもなく陰湿で、組織的なパワハラが明らかになったためです。
折しも、今年の6月からパワハラ防止法が施行され、世間の関心が高い中で、このような陰湿な問題ですからね。
ブラック自治体というブランドを全国的に示した山口県田布施町の想像を絶する対応
おそらく、山口県田布施町という場所を知らない人は多かったのではないかと推測しますが、今回の問題で陰湿なパワハラを平然と行うブラック企業も真っ青の「ブラック自治体」というブランドを全国に轟かせましたね。
現時点で明らかになっている状況だけでも、
- 畳部屋に机を置き、1人だけの部署に隔離
- 2年間で3度配置転換
- 苦情電話に対して人格否定
と、まさに組織的パワハラを行っていたんだろうと思える対応をしています。
実際、中國新聞提供でYahooニュースにも掲載された「弁護士ら「組織的ないじめ」「人権侵害」 山口県田布施町、苦情電話応対で「隔離」職員を「個人攻撃」」によると、「公的機関として想像を絶する対応」「組織的いじめ」とまで言われてます。
町は畳部屋への異動発覚後、苦情電話への想定問答集を作成。職員が原因で「周りがノイローゼ気味になっており、守る必要がある」などと記し、報復人事や「隔離」でないことを説明する内容だ。また、実際の応答では想定問答にない「指示を聞かず窓口や電話対応しない」「興味のある仕事しかしない」とも説明していた。
これに対しては「問題のすり替え」とさらに批判を招いており、インターネット上でも「(苦情電話したら)人と話ができず、勝手にマスコミに文句を言っていると言われた」などの書き込みが見られる。
問答集を作成した亀田典志総務課長は「100パーセント批判から始まる電話に報復ではないと理解してもらうには説明せざるを得なかった。とにかく職員たちが(苦情電話に)メンタル的に相当参っている」としている。現在は職員の個人攻撃ととられるような応答を止めているという。
公益通報者保護法に詳しい中村雅人弁護士は「複数人が職員をおとしめるようなことを言っており、人権侵害で名誉毀損(きそん)だ。異動を正当化する理由にもならない」と批判。また、山口大の立山紘毅教授(憲法)は「公的機関として想像を絶する対応。仮に職員に問題があるとしても、電話応答する職員がそれぞれ内部の人間の社会的地位を落とすようなことを言うのは組織的いじめだ」と話している。 山口大の立山紘毅教授(憲法)は「公的機関として想像を絶する対応。仮に職員に問題があるとしても、電話応答する職員がそれぞれ内部の人間の社会的地位を落とすようなことを言うのは組織的いじめだ」と話している。
「職員たちが(苦情電話に)メンタル的に相当参っている」なんて、そりゃ苦情電話に対応する職員は、組織的パワハラの被害者でしょう。
パワハラの加害者である管理職以上こそが苦情電話に対応すべきでしょ!
業務評価0点が組織的パワハラと断言できる理由
ただ、今回問題視したいのは「2018年度の業務評価が最低の0点」という部分です。
業務評価は、通常、直属の上司が点数をつけ、公平性のためにその上の上司が2次評価を行う、場合によっては3次評価もあったりするはずです。
そのため、税務課の課長、そしてその上の部長のような職位の管理職のすべてが0点をつけなければ、0点にならないはずです。
また、各部署が採点した業務評価の結果は、人事課または総務課で最終的に一元的にまとめられるはずです。
0点なんていう異常な数字が出てきて放置していたのであれば、最初から組織的に0点にするつもりだったとしか思えません。
だからこそ、この業務評価0点というのは、固定資産税の徴収ミスという問題を上司に報告してもなかったことにされ、それは公平でないと内部告発した職員に対する完全に報復と言える組織的な犯行と断言します。
固定資産税の徴収ミスを内部告発した職員を1人だけの畳部屋に異動させた山口県田布施町の東浩二町長は17日、町役場で記者会見を開き、不適切な異動だったと謝罪した。
職員を複数人が働く部屋に異動させることや「成果なし」の0点とした過去の業務評価を撤回したことを明らかにした。
職員は2年前の税務課勤務時代、相続時の手続きミスによる固定資産税の誤徴収を発見。上司に報告したが対応しなかったため、町議たちに告発した。その2018年度の業務評価は最低の0点。この2年で3回異動となっている。
山口県田布施町による見せしめ効果
そもそも、業務評価0点というのは、その年はなんの成果もなかったということです。
今回畳部屋に送られた方は1年間一切仕事をしなかったということなのでしょうか?
今回の組織的パワハラが、いかに悪質で卑劣な行為なのか、そしてなぜ多くの方が怒り、苦情電話までかけたのは、
- 正しい行為をしても、それをもみ消し、そして見せしめにすることで
- 他の職員に対して「逆らったら同じ目に遭わせるぞ」という暗黙のメッセージを与えたことに対して
そのような組織を許していては、結局は田布施町の住民が受ける行政サービスが不公平なものになってしまうという危機感でしょう。
このサイトでは、ブラック企業は必要悪ではなく、単なる悪とみなしています。自治体がやっていることが許されるなら企業だって同じことをしても許される、と思う輩はいるでしょう。悪い見本ではなく、良い見本を示していただきたいものです。
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